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推し活とAI

今やビジネス界でもすっかり定着した「推し」という言葉。
生成AIやVR(仮想現実)などの技術が急速に進化する現在においてさえ、なぜ今なおグッズをはじめとする「所有する推し活」は衰退しないのでしょうか。
生成AIとの対話や、VR空間でのライブ体験が当たり前になった今、「推し活」に実在感は必要なのでしょうか。

生成AIにキャラクターのデータを読み込ませれば「会話」ができる。アイドルのライブに足を運ばずとも、VR空間で臨場感あふれるライブを「体験」できる。音楽もサブスクリプションで手軽に楽しめる。一見すると、もはや「実体」「実在」「実演」にこだわる必要はないようにも思えます。

それでも、フィギュアやぬいぐるみ、アクリルスタンド、CDといった物理的なグッズを買い求め、手元に「所有」する文化は廃れることがありません。

画面の中で動く姿を鑑賞したりAIで会話したりするだけでなく、実際のフィギュアやぬいぐるみを「手で触れられる実体」として側に置くことで、私たちはより強い愛着と存在感を感じ取ります。物理的な実体が、現実世界における推しの存在感を補強しているのです。
AIやVRが提供する「体験」と、手元に残る「所有」。このデジタルとフィジカルの掛け合わせこそが、現代の推し活文化をより豊かに盛り上げているのではないでしょうか。

…という前置きを経て、ここからが本題です。
私の推し、ドラマ「マンダロリアン」に登場する「グローグー」のお話をさせてください。

「マンダロリアン」は、「スター・ウォーズ」のスピンオフと位置づけられている人気ドラマシリーズです。
鎧に身を包んだ寡黙な賞金稼ぎ(マンダロリアン)が、命を狙われる謎の幼い生き物「グローグー」を守るために銀河を旅する物語。CG全盛の現代において、あえて実際のパペットやスーツアクターを多用し、CGと掛け合わせた作品です。

当然ですが、作中の「グローグー」はパペットであり、実在の生き物ではありません。
「撮影現場で実際に動かされているパペット(物理的実体)」が作中に存在し、それを私たちが「フィギュア(物理的実体)」として買い求めるという現象には、記号と実在をめぐる二重構造を生み出します。
「人形」をさらに「人形」として所有するという、メタ的な視点が生まれるのです。

実在しないものに形を与え、その存在感ごと手元に引き寄せる。
これこそが現代における、非常に豊かな「推し活」のあり方と言えるのではないでしょうか(言ってください)。

それでは最後に、私の推しの写真を載せておきます。ぜひ、この愛らしい姿をご堪能ください。

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